ムハンマド・イブン=アブドゥッラーフ
ムハンマドは、イスラーム教の開祖、軍事指導者、政治家。アラビア半島西中部、ヒジャーズ地方の中心都市メッカの支配部族であるクライシュ族出身で、その名門ハーシム家のひとり。イスラーム教では、モーセ、イエス・キリストその他に続く、最後にして最高の預言者(ナビー)でありかつ使徒(ラスール)とみなされている。また世俗君主・軍人としても有能であり、アラビア半島にイスラーム国家を打ち立てた。
全名はムハンマド・イブン=アブドゥッラーフ・イブン=アブドゥルムッタリブ(محمد ابن عبد اللّه ابن عبد المطّلب Muhammad ibn `Abd Allāh ibn `Abd al-Muttalib。アブドゥルムッタリブの息子アブドゥッラーフの息子ムハンマドの意味)という。字義は「より誉め讃えられるべき人」。
ギリシア語資料では Μουαμεδ として表れる。日本ではかつては西欧での表記(Mohammed, Mohamet, Mahomet など、ラテン語形 Machometus に由来)やトルコ語での表記(Mehmet, Muhammet)にしたがって、モハメッド、マホメットなどと呼ばれることが多かったが、近年では標準アラビア語(フスハー)の発音に近い「ムハンマド」に表記・発音がされる傾向がある。なお、「ムハンマド」はムスリムの典型的な名前でもあるため、区別のため「預言者ムハンマド」と呼ぶ場合がある。
なお、第2音節の ح ḥ は無声咽頭摩擦音の通常のhとは違うため、ラテン文字転写の場合は正確には下に点のついた文字で表される。(ラテン語で当該部分にchが使われているのもそのため)